gold rush
2021-
牡蠣をモチーフに自身の排泄物と牡蠣によるそれらの分解、更にそれをまた体内に取り込むことでカニバリズムや大枠の生態系の短縮実践を試みる。
ゴールドラッシュの時期に乱獲された牡蠣『オランピア』は娼婦の通称でもありマネが描いた生身に女性の裸体でもある。しかしながら牡蠣は雌雄同体であり、むしろその名は牡の名に因んで名付けられた。また、日本において牡蠣の第一線産地である広島はかつての原爆投下の地である。牡蠣はそういった海に流れ出た様々な物質を取り込む事で自らの命を繋いできた。人間にとって悲劇と思われる歴史の別軸では別の物語が紡がれていく。牡蠣とそれを取り巻く人間を含めた動植物の、パラレル的な世界の可能性を体に取り込む事で更に入子状に世界が広がっていくかもしれない。